速読に興味のある方 速読のスキルがほしい方 速読のことを知りたい方 速読の教材のほしい方 あなたのためのホームページです。
速読法と記憶法―情報処理能力を高める技術
こんなにコンパクトな新書ですが中身は充実しています。個別の訓練内容そのものは、著者の他の書とあまり変わりません。もともとメソッドの体系が完成されているからです。これは法律や経済学の本の章立ては、どの本もほぼ一緒なのと同じことです。
速読術提唱者の本はなぜこうも似通っているのだろう。ためしに本屋に行き、この本と知的生き方文庫の「本が今までの10倍速く読める法」と「記憶力が今までの10倍よくなる法」という本を読み比べてみてほしい。きっと愕然とするだろう。内容がほぼ同じなのだ(本書が「である」調なのにたいして後者2冊は「です」調だという違いくらい)。この2つの文庫は、以前新書版で出版されたものが加筆修正された物なのだが、そうすると、5冊の異なる題名の本がほとんど同じ内容・文章を持っているということなのである。この時点でかなり胡散臭い。氏は自身も速読マスターであると語っているのに、このような形でしか本を出版できないのか、と疑問を抱かずに入られない。氏の主宰するSRSのホームページを見ても、体裁は個人のHPかと思うくらいひんそなもの。そんでもって、この本の文章はわかりにくい。氏は1分間何十万字も読めるようになる、といっているが、この程度のアウトプットしかできないのか、と考えると、速読の必要性に疑問を感じずにはいられなくなる。興味があるという方は、必ず本屋で一度手にとってもらいたい。一見トレーニングメニューは豊富なように見えるが、説明不足で、とてもこの本だけでは理解できない。この本の後半もほとんどSRSの広告に割かれており、「結局勧誘か」と思ってしまう。冷静に考えればわかることだ。一回の速読講習は何十万という大金を投資しなければ受けられないのに、それをたかが千円でそのノウハウを提供してくれるはずはないのだ。「指回し体操」の提唱者である栗田氏にして(「指回し体操」はすばらしいと思う)、このざまか、といった、悲しみのようなものも感じさせる本である。
元々、速読に興味があり、栗田博士のSRS速読法を実践していたのだが、この本は他の栗田氏の本より、より多くの、そして、詳しい訓練法が載っていたので、とても参考になった。速読に興味が無い方にも、ぜひ一読してもらいたい一冊です。実際に指回し体操をするだけで、夢に変化が生じました。決してオカルトなどではないので、知的好奇心が旺盛な方にお薦めです。 |
このページの情報は 2006年2月20日20時12分 時点のものです。 |